助成金には様々なものがありますが、最もメジャーとされている厚生労働省のキャリアアップ助成金について、ご説明をさせていただきます。キャリアアップ助成金と言うのは、厚生労働省が雇用保険の資金を財源にしているということもあり、雇用関係に特化されています。

例えば非正規労働者を正社員にする場合にかかる費用の助成であったり、或いは、従業員を健康診断に受けてもらうための助成であったりと、中小企業にとっても、なかなか社員の待遇向上を国の方でサポートしてくれるということもあり、大変ありがたい助成金です。また、厚生労働省の助成金は経済産業省の助成金のように厳しい審査がなく、締切に間に合うように、決められた書類を容易さえすれば、必ず助成金が支払われますので、しっかり書類を用意するようにしましょう。

一般的に必要な条件

ここで書類を提出する際に助成金を受け取ることの出来る資格があるのかどうかと言う確認をしましょう。次の要件が備わっているのかどうかということをまず確認してみてください。

  • 社会保険に加入していること
  • 雇用保険に加入していること※過去2年間、雇用保険料の滞納がないこと
  • 就業規則、出勤簿などの必要書類が作成されていること
  • 提出書類の期限厳守
  • 会社都合で従業員を解雇していないこと
  • 特定受給資格者となる離職者を従業員の6%以上、発生させないこと
    ※特定受給資格者とは、会社の倒産、解雇などの理由で離職した方
  • 過去3年間に助成金の不正受給がないこと
  • 過去に労働関係法令の違反がないこと

まずは以上の条件に該当しているかどうかが重要です。このどれかに抵触をしてしまうと、助成金は支払われませんので、よく確認をしてください。

助成金申請に必要な書類

次に必要な書類です。助成金を支払う厚生労働省(窓口はハローワークになります)になりますので、書類はしっかり用意をして提出をするようにします。公的な書類として必要とされているものは次の通りです。事業所等によって変わる場合もあります。

  • 就業規則
  • 賃金規程
  • 賃金台帳
  • 労働者名簿
  • タイムカードまたは出勤簿
  • 雇用保険適用事業所台帳
  • 雇用保険被保険者取得確認通知書
  • 登記簿謄本または定款

これらの書類が必要になるのは、その会社が現存している会社であり、かつ、労務を管理しているということを確認するために必要とします。これ以外には、それぞれの助成金によって変わってきますが、キャリアアップのための助成金の場合は、計画書が必要になります。それも必要な書類の書式がありますので、自分本位で作成しても却下されてしまうため、ハローワーク等でしっかり話を聞いてくるということも重要です。