企業を経営する上で大事なものは、資金です。資金は人間の体で言えば血液のようなものですから、枯渇してしまうと、企業は衰退してしまいます。そのために営業を続けるわけですし、状況によっては資金確保のため、金融機関から資金を融資してもらうということになります。ただ、融資は返済しなければいけないお金です。

その点、助成金は国や地方公共団体、それらに準ずる団体から用途に応じてもらえるお金ですので、利用しない手はありません。さらには、補助金の場合は、要件を満たしていても審査に合格しなければもらえませんが、助成金の場合は、しっかり要件を満たしていれば、基本的には受給することが可能です。このように助成金は、補助金に比べると敷居が低いのですが、やはり受給するにあたって注意しなければならない点がいくつかありますので、今回は助成金を受給する際に注意するべきポイントについてご説明したいと思います。

アンテナをしっかり張っておく

助成金の募集期間は、大変短いのが特徴で、通常は1ヶ月で締め切ってしまいます。そのため、まずは会社としてどういうことをやりたいのかということをしっかり事業計画をまとめておくことがどうしても必要です。というのは、自社にマッチする助成金の募集があった場合にはできるだけ迅速に対応するべきだからです。つまり、助成金の募集が出てから、事業計画をねって、それが自社にマッチするかどうかということをやっているだけで、時間がかかってしまいますので、機会を損失してしまう可能性があります。しかしながら、しっかりした事業計画を立てて、どういうところに資金が必要なのかどうかということをあらかじめまとめておけば、急な対応であっても、準備をしてあるので、余裕を持って応募することが出来ます。そのため、助成金の情報を常にチェックするということも必要ですし、すぐに対応できるように事業計画を立てておくということが大切です。

助成金の支払いは後払いです

通常融資など受ける場合には、融資を申し込んで審査に通ると資金の借り入れが出来ます。ところが、助成金の場合は受給が決まったとしても、決まったあとに受給されるのではなく、精算金の支払いの助成金が支払われるということになります。つまり、何かしらの助成金の申込みをした場合に、支払いをする資金をまず会社が支払って、それに対してこのように支払った事業の報告をして、それに対して対応する国や地方公共団体の機関及びそれに準ずる機関が検査をしても、事業報告に問題はないということで事業への支払い金額に対して助成金が支払われるという流れになります。この資金の動きというのが、かなり長いのです。例えば4月に募集があった場合の助成金で受給の流れについて例をご案内したいと思います。
2020年4月助成金募集開始→応募
2020年5月助成金交付が決定。
ここで応募した助成金について交付することが決定しますが、あくまでもここではその会社に助成金を交付することが決まったということであり、助成金の支払いということではありません。その点は注意をしてください。
2020年6月から事業を開始して、2021年3月に事業が終了したと仮定します。
2021年4月事業実績を助成金給付団体に報告をします。
2021年5月助成金給付団体が事業実績を検査
2021年6月に助成金の支払い
という流れです。したがって、助成金交付が決まったとしても、実際に助成金を給付できるのは約1年後ということになりますので、事業計画だけではなく資金計画も建てる必要があるでしょう。その場合、資金が不足してしまう場合には、事前に金融機関と相談する必要があるかもしれません。

また、助成金は国のお金になるので、受給を受けるためには、事後処理などの雑多な事務をする必要があります。例えば見積書や請求書などの証拠書類を残しておくだけではなく、事後処理報告なども求められる場合もあります。